蒼空の下を、キミと2人で
夜の7時過ぎ。



手術中のランプが消えた。



思わず立ち上がる。



お医者さんが出てきた。



「全ては取り除けませんでしたが…



蒼さんは意識もはっきりしていて、大丈夫です。



これから傷が痛むと思いますが…」



よかった。



蒼は大丈夫なんだ。



もしかしたら、意識不明…とか考えすぎてたから、本当によかった。



「ありがとうございます!」



蒼のお母さんは涙ぐんで、頭を下げた。



蒼のお父さんも涙目だ。



お医者さんが帰ると。



ほっとして、力が抜けて、そこに座り込んだ。



「にこちゃん!



本当によかった」



私もオーバー気味に頷く。



蒼のお母さんの手を借りて、立ち上がったとき…



手術室の中から蒼が出てきた。



ストレッチャーに乗せられて。



「蒼っ!」



頭には、ガーゼが貼られていた。



看護師さんたちに押される蒼。



戻ったのは、いつもの病室じゃなくて、集中治療室。



看護師さんに、



「許可が出るまで、しばらくお待ちください」



って言われた。



そこで、蒼のお母さんたちと、自販機まで行って、ジュースを買った。






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