蒼空の下を、キミと2人で
翌朝。



結局、寝れたのは12時すぎだった。



寝不足もあって、ふらふらする。



「うっ、気持ち悪…」



一応、普通の病室には戻れたけど。



空いてなくて、個室だった。



痛み止めも飲んだけど。



こんなに気持ち悪いの、人生初だ。



コンコン



「蒼くん」



川崎先生だった。



「調子はどう?」



「頭痛と吐き気が…」



ふむふむと頷く川崎先生。



「なにか食べれそう?」



「…食欲ないです」



「一応、昼食はおかゆね。



一口でいいから食べてください」



「…はい」



昼食は、一口だけ食べた。



あぁー、にこに会いたい。



ポロポロと溢れた涙はもう止まらない。



なんでこんなに泣けるんだろう。



病気になってから、いつでも会えたにこが放課後しか会えなくなって。



自分には無縁だと思ってた入院生活になって。



痛くて、辛い手術に耐えたのに、全部取れなくて、余命宣告までされて。



最近の俺は情緒不安定だ。



涙をふいてもふいても…



気づけば、母さんが持ってきた着替えの中になぜがはいってたハンカチは、べしょぬれだった。



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