蒼空の下を、キミと2人で
蒼のベットの近くにある椅子に座る。



「…クラリネットなんて、初めて近くで見たな!」



蒼がどうしても吹いてって言うから、吹いてあげたら、看護師さんが来て、てっきり怒られるかと思ったけど…



「懐かしいねー。



私も高校の頃クラリネットだったなー」



って言われた。



佐藤さん、っていうらしい。



「美優です!



美優って呼んでね!」



看護師さんをちゃん付けで呼ぶなんて、と思ったけど、とっても面白いひとだった。



学校には、もう1人、クラリネットが吹けるみゆちゃんがいて、なんか不思議。



「にこちゃん、上手だねー」



「美優ちゃん、吹いてみて!」



美優ちゃんは、むりむりという風に首を振った。



そこに、



「まったく、看護師が何やってるんですかー?」



蒼の主治医の先生が来た。



苦笑している。



「にこ、この先生、佑樹のお父さん」



「えーーー!」



「そんなに驚かなくても。



はい、佐藤先生は仕事に戻るっ!」



「はーい」



と言いながら、美優ちゃんは戻った。
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