蒼空の下を、キミと2人で
蒼side
佑樹と2人になった病室。



俺から切り出した。



「そういえばさ。



俺、延命治療しないことにしたから」



佑樹はただ黙っていた。



ぽろり



佑樹の足元の床には、涙が溢れていた。



「俺は、治療なんて受けたことないし、どれだけ辛いかもわからない。



だから、言えるのかもしれないけど…」



佑樹が言葉を詰まらせた。



「俺は。



蒼に…できるだけ長く…



……生きててほしい…」



佑樹の身体は、小刻みに震えていた。



「ごめん、佑樹。



俺は、残りのわずかな人生、治療よりも、好きなことがしたい。」



佑樹は窓の外を見て言った。



「そっか。



蒼がそう言うなら応援する」



佑樹の頬の涙は乾いていた。



「あんまり長いと、にこちゃんが退屈だし、もう帰るわ。



また明日な!」



そう言って、病室を出て行った。
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