蒼空の下を、キミと2人で
それからすぐ、にこがやってきた。



「蒼ー」



「…にこ」



まだあの辛い吐き気は健在で。



見かねたにこが



「大丈夫?



今日はもう帰るね。



ゆっくり休んで!



また明日来るからね!」



手をひらひらと振ってにこは帰った。



やっぱり今日も言えない、「ここにいて」の言葉。



ぽろぽろと涙がこぼれた。



「あっ」



にこは、すごく大事にしていたクラリネットはちゃんと持ち帰った代わりに、リュックを忘れて行った。



またにこが来てくれることがちょっと嬉しかった。
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