蒼空の下を、キミと2人で
コンコン



「蒼ー!」



「…にこ」



蒼は、酸素マスクをしていた。



鎖骨の点滴といい、酸素マスクといい、会うたび機械が増えてるような気がして、怖くなる。



まだ2週間も経ってない。



大丈夫だよ、きっと。



「にこ、勉強進んでる?」



酸素マスク越しだと、小さく聞こえる蒼の声。



「全然!(笑)」



「そんなんじゃ、1位奪われるぞー」



違うよ、1位は蒼だよって言おうとしたけど、やめた。



蒼が泣きそうになって唇を噛み締めたからだった。
< 174 / 261 >

この作品をシェア

pagetop