蒼空の下を、キミと2人で
「蒼?



熱、測ろー??」



蒼は答えない。



というより、答えられないだろう。



荒い呼吸の音が病室に響く。



「はぁ…はぁ…」



私が挟んで、しばらくしたら、大きな音がなった。



ピピピッ



[40.2℃]



「えっ」



驚いて、思わず声を出してしまった。



こんな高熱、見たことないし、身の回りでこんな高熱を出した人なんて聞いたこともなかった。



持っていたハンカチを濡らして、汗をぬぐってあげる。



「…蒼のお母さんに電話するね。」



優しく声をかけて、病室を出た。
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