蒼空の下を、キミと2人で
蒼side
「はぁはぁ…」



1人になった病室。



そして、やっと言えた「ここにいて」という言葉。



にこは看護師の人を呼びに行った。



息が苦しい。



皆勤賞取るぐらい健康で、熱なんて1年に1回出すか出さないかぐらいだったのに。



「蒼くん!」



佐藤さんが来た。



にこが体温を測ってくれる。



にこが声をあげるほど高いのか。



にこが濡らしたハンカチで汗をぬぐってくれると、冷たくて気持ちよかった。



にこが母さんに電話をかけに行っている間に、すごい吐き気がして、トイレに走る。



立つだけでも苦しくて、倒れそう。



はやくにこに帰ってきてほしかった。
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