蒼空の下を、キミと2人で
にこside
「蒼…?」



「に…こ、ごめ…ん…



けっこ…ん、でき…なく…て…」



「蒼っ!



いいから!



結婚しなくても、いいから!!」



蒼は、ゆっくり目を閉じた。



目から涙が溢れる。



「蒼…?



蒼っ!」



パチ



「なんだ…夢かぁ。」



頬には涙のあとがあった。



嫌な夢だな。



ふと、時計を見ると…



「えっーーーー!!」



[9:10]



準備して学校に行くまでに30分以上はかかる。



自転車に乗っても。



お母さんだって、起こしてくれたっていいのに、と思ったけど、メモがあった。



「にこへ
お母さんのおじさんが、急病なので、もう出ます。



今日は泊まります。



あと、お父さんも出張だから、蒼くんのお母さんに、にこの夜ご飯を頼んでおきました。



朝ごはんは、冷蔵庫の上にロールパンがあります。



いってらっしゃい!」



お母さんのおじさんが…



大丈夫かな。



蒼ん家での夜ご飯も、蒼がいればずっと楽しいのに。



いってらっしゃいじゃないよ。



もう、行く気さえなくなってきた。
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