蒼空の下を、キミと2人で
「よしっ!」



顔を洗って、着替えて、髪の毛を結ぶと、もう30分だった。



「いってきます」



当然、返事はない。



自転車に乗りながら、こんな時間に制服でなんて、警察に職務質問されないかな…と思った。



朝ごはんは食べれなかったし。



校門を入ったところで、1時間目終了のチャイムが鳴った。



「百瀬ーー!!」



うわっ、生活指導の先生だ。



「百瀬、もう少し直せないか?



もう1時間目終わったぞ?」



意外に優しかった。



「しょうがないじゃないですか!



今日は、いい夢を見て…」



本当はいい夢なんかじゃなかったけど。



「はいはい、もうわかった。



早く教室に入れ!」



「はーい」



教室に入ると、彩花が1番に話しかけてくれた。



「にこ、どうしたの??」



「寝坊しちゃって!」



彩花も、蒼と同じようにため息をついた。



「それにねっ、蒼とね、朝から電話したんだよっ!」



「ラブラブなのはいいけど、電話してるぐらいなら早く来てよね?



心配したんだから!」



彩花、お姉ちゃんみたい。



「はーい」



キーンコーンカーンコーン



今日も授業が始まった。
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