蒼空の下を、キミと2人で
「蒼ー」



蒼は、昨日と比べて、だいぶ元気になっていた。



「にこ、間に合った?」



朝のことだな、絶対。



「1時間目には間に合わなかった!」



肩をすくめる。



「生活指導の先生になんか言われた?」



「言われたけど、いい夢見たんです!っていったら、見逃してくれた!」



今日はやけに優しかったし。



「へぇー、どんな夢?」



ぎくっとした。



元々はいい夢なんて咄嗟についた嘘だし、あの夢のことなんて言えない。



「えーっとねー、超っ!大っきいケーキがあって、それを全部食べる夢ー♡」



蒼は信じちゃってるし、申し訳ないな。
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