蒼空の下を、キミと2人で
にこside
みんなと別れて、蒼の病院に向かう途中、なんだか嫌な予感がした。



なんだろう。



長い一本道の途中、黒猫が道路を横切ったのを見た。



そういえば、お母さんが黒猫が横切ると、よくないことが起きるって言ってた。




怖くなって、蒼が大丈夫なのを確かめたくて、病院に走った。



ガガー



心地よい暖かさ。



人は少なかった。



蒼の病室に走る。



「蒼ー!」



蒼からの返事はない。



代わりに、荒い息の音と、佑樹くんからの返事が聞こえる。



「にこちゃんっ!



蒼、帰る途中で体調悪くなって…」



ベットに寝てる蒼。



「…にこ、金賞…おめでと…」



涙が頬を伝う。



「蒼のバカっ!



なんで無理するの…?」



言葉が途切れる。



「金賞取ったのも、蒼が来てくれたのも嬉しかったけど!



…蒼が死んじゃったら嫌だよ…」



蒼がいないなんて考えられない。
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