蒼空の下を、キミと2人で
蒼のお母さんが歩いてくるのが見えた。



慌てて服の袖でごしごし涙を拭う。



「あら、にこちゃん!



金賞おめでとう!」



「ありがとう!



ねぇ、知ってますか?」



急に敬語になった。



蒼のお母さんは首を傾げた。



「蒼、コンテスト見にきてくれたんです。



川崎先生に頼んで。



それで、無理しちゃって熱が出て」



それを聞いた蒼のお母さんははぁー、とため息をついた。



「本当にバカ息子ねぇー。



どれだけ心配させれば気がすむのかしら」



そのまま歩いて行こうとする蒼のお母さんを止めた。



「蒼を、怒らないであげてください。



川崎先生にダメって言われたのに、負担がかかるって言われたのに、来てくれたんです。



蒼は心配かけたかもしれないですけど、1番辛かったのは蒼です」



まっすぐ前を向いて。



「わかったわ。



ありがとう!」



そう言って蒼の病室に向かった。
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