蒼空の下を、キミと2人で
「そっか。よかった!



ありがとう!」



佑樹くんはすっきりした感じだった。



「うん、頑張ってね!」



佑樹くんは、



「俺、彩花のとこ行ってくる!」



と走って行った。



あっ、蒼の病室に携帯忘れた!



コンコン



「蒼ー」



蒼の顔は真っ青だった。



「大丈夫!?」



「あぁ、大丈夫大丈夫。



あと、携帯」



毛布の隙間から手を出して、サイドテーブルに置いてある携帯を私に手渡した。



「ありがとう!」



コンコン



蒼のお母さんだった。



蒼がこの時間には戻ることを聞いていたみたい。



「着替え、持ってきたからね」



「ふーん」



蒼、素直じゃないなぁ。



素直にありがとうって言えばいいのに。



「にこちゃんもありがとね。



蒼、帰ったほうがいい?」



「どっちでも」



本当に素直じゃないんだから。



「じゃあ、また明日」



そう言って、蒼のお母さんは病室を出た。

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