蒼空の下を、キミと2人で
俺とにこは、また屋上にいった。



今日はコートをちゃんと着て。



「はぁー、はぁー」



と白くなる息で遊んでいるにこがかわいくて。



ずっと離れたくないのに、体調は悪くなっていく一方。



にこの前では、気をつけてたけど…



「…いった…」



にこがいきなり覗き込んでくる。



「蒼、大丈夫?」



「大丈夫」



にこの前では。



「大丈夫じゃないでしょ?



ほら、病室戻ろう??」



にこが手を差し出す。



その白くて小さな手を、点滴をしてないほうの手で握った。



晴れでも雨でもない、微妙な天気だった。



病室に戻ると、にこは、



「寝ていいよ?」



と心配そうに言った。



「大丈夫。



寝たら夜寝れなくなるから」



それで、にこは納得した。



「じゃあね、また明日来るね!」



廊下まで見送れなかった。



もう1ヶ月はたった。



そろそろ俺は死を覚悟し始めた。



「これでよし、と」



にこ宛て、祐樹宛て、父さんと母さん宛ての手紙を書いた。



書いてる間、涙が止まらなくて。



特ににこへの手紙は、涙のシミがいっぱいできてしまった。
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