蒼空の下を、キミと2人で
「…っ、あおいっ…」



最後も蒼らしく弱音なんか書いてなくて。



でも、いっぱいいっぱい涙の跡があった。



蒼の書き出しで、すぐ。



もう蒼は死んじゃったんだ。



って初めて気づいた。



でもやっぱり心のどこかで期待してる私はばかだ。



涙が一粒。



身近で、大切な人すぎて、実感がわかないよ、やっぱり。



ねぇ、蒼。



私がちゃんともう蒼はいないんだ、って理解できるまでにどれぐらいかかるかな?




きっと一生かかりそうな気がする。




なんで涙が出ないんだろう。




あんなに大切で、あんなに大好きなひとなのに。




「にこ、帰ろう」




彩花と家に帰る。




「明日ね。



また、明日」



そう、明日は蒼の、お葬式。



「うん…」



彩花と分かれて、家に入る。



「ただいま…」



「おかえり」



明るさがない家。



倒れるようにベットに寝た。



やっぱり彩花はいい友達だな。



手紙の内容だって、気になったはずなのになにも聞かないでくれて。



彩花がいてくれて、よかった。
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