蒼空の下を、キミと2人で
蒼が死んで、2日後。



蒼のお葬式が行われた。



蒼のお母さんは、ずいぶんやせ細っていたようだった。



会場には、祐樹くんと彩花はもちろん、蒼のクラスの子全員と、他のクラス、蒼の後輩、みんな。



やっぱり蒼は愛されてるんだね。



遺影の中の蒼は、笑ってて。



みんなが涙を流す中、ぼーっと突っ立っているしかなかった。



彩花も祐樹くんも、みんな、泣いてるのに涙が出なくて。



蒼が、もうすぐ本当にこの世からいなくなっちゃう時。



私の中で何かが崩れた。



「…っ」



一粒涙が溢れると、もう止まらなくなって今までの分とばかりに涙が頬を伝う。



あの日のように、全身の力が抜けて、その場に座り込む。



「…蒼、言ったじゃん…



また明日って。



明日には、もう…」



涙の粒が絨毯に模様を作る。



「…蒼、ありがと…」



それは、また雪が降り始めた寒い冬の日のことだった。
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