蒼空の下を、キミと2人で
にこside
今日は、夏のコンクール。



「緊張するねー」



「うん!」



2回目とはいえ、緊張する。



ホールは広くて。



みんなでいつもキツキツで入ってる音楽室とは大違いだった。



指揮棒が上がり、視線がそこに集まる。



始まった。



気がつけば、終わっていて、とにかく必死で。



今年が最後の先輩に、せめて、次の大会に行けない金賞でも、見せたかった。



結果は、銀賞。



「…先輩っ、金賞、取れなくて…」



先輩は、優しく涙をぬぐって、



「にこちゃんは、十分、頑張ったよ」



と言ってくれた。



先輩の胸にすがって、泣いた。



どこから、こんなに出てくるんだ、と思うぐらい。



こうして、先輩たち最後の大会は、終わった。
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