幽霊学園
その手をむんずと掴み私が声をあげようとした時!

バサリッ
何か布のような物が風にあおられた時に立てる様な音ともに…

「うわぁああ!」

「きゃあ!」

現れたのは!

「きっきっきっ吸血鬼だ―!」


そう!誰が見ても一目で分かる異様な姿!
細身に黒いスーツは変わっていないが、目は紅くなり、口の端っこには微かに牙の様な物が覗いている。
まとわり付く様に周囲をコウモリが鳴き声を上げながら飛ぶ。

さっきの黒い霧の影響か、先程よりも廊下は暗くなったようだった。

「あ…あ!?」

先程まで夢見心地だった絵理子も真実に気づき身体を震わす!

「――さて。」

出てきた吸血鬼。
ローランドはゆっくりと此方に顔を向けた。

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