幽霊学園
「うわぁ」

「きゃあ」

私と絵理子が同時に、しかし全く真逆の意味を込めて声を上げた。


「気をつけて下さいね校長。」

その視線の先にはやはりローランド。

そして、その腕の中には顔色のやたらに悪いじぃちゃんが一人。


「先生、かっこいい」


「……そうかな……」

私は、じぃちゃんをお姫様抱っこする吸血鬼にしか見えないのだけど。


「――あれ。かっこいいの…?」


「もうっ、やだっ、決まってるじゃない!」

コツコツと石だたみの上を歩き、体育館の中に入って行くローランドと入れ替わりにあのス―ツ姿の女性が現れた。

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