幽霊学園
「構いませんよ。ではあちらに行きましょうか。」


爽やかな笑顔と共にあっさり承諾するローランド。

彼の『行く』が『逝く』に聞こえた人は私だけでは無いだろう。


「ままままって下さい―――!」


決死の形相で二人の間に打ち入して行く者、
にしかし絵理子は決然とした表情を向けた。

「私は、行きます。
邪魔しないで下さい。」


その様は文句無しにかっこよく、颯爽としていた。

躊躇う事なく、歩きはじめたローランドの後を追うその背中を、
全員が尊敬の眼差しで見送ったのだった。

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