幽霊学園
「その位で止めてやったら?」


振り返って見て見れば、少しタレ目の男の子が一人。
手に野菜の入った籠を抱えて此方を眺めている。
バサバサの適当な感じの黒髪に制服も適当に着ている。
ネームプレートが新入生の色になっていなければ、上級生だと思うような、服の着崩し方だ。

「ふう、分かってる。聞き出せれば、今後役に立つかと思ったのだけど、諦める。」


私は素直に菜箸に込めていた力を抜いた。

「なぁ、あんたら逃げ切り組?」

何だか、たらたらとした様子でそう言ってくる。

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