かわいいあなたにマフラーを
「あ、笹野君!
ちょっと待ってて、すぐ支度するから」

言って帰り支度を済ませた静谷が、他の部員に声をかけて俺の元へとやって来た。

「お待たせ、笹野君。
会議、お疲れ様」

「ありがとう。
静谷も。お疲れ。
支度、ゆっくりでよかったのに」

歩きながら、さっきの光景を思い出す。

俺の姿を確認した静谷は、それはもう大慌てで帰り支度をしていた。
慌てすぎて毛糸を転がして、追いかけている姿が可愛かった。
猫みたいだ、とくすりと笑った。

「秋穂、そんなに急いで彼氏さんのとこ行きたいんだ~?」

で、そんな風に仲間に茶化されて、顔を赤くしていた。



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