かわいいあなたにマフラーを
校舎を出て大通りを外れたところで、俺はそっと彼女の手をとった。

さすがに、校内とか学校のすぐ近くでは恥ずかしいから、学校から早く離れてこうしたかった。

でもいざ離れて手を繋いでみると、2人でいる時間が急いで減ってしまったようで、複雑な気分だ。

「静谷、回り道して帰らない?」

「え? う、うん!」

もっと一緒に居たくて。
真っ直ぐ帰るのはもったいない気がして。
俺たちは、遠回りをして帰ることにした。

道中色んな話しをした。

弟が生意気だけど可愛いとか、セロリが苦手だとか。
知らなかった静谷を知ることが出来て、どれもこれも新鮮だ。
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