かわいいあなたにマフラーを
「おいおい井口、野上一人に無理させるなよ。
手伝ってやれって」

会長がたしなめると、井口ではなく野上が口を開いた。

「会長、わたしから井口先輩にお願いしたんです!
ぜひ一人でやらせてください!」

自分の思い通りに飾ってみたいんです!
野上のセリフに、なるほど、と俺らは頷いた。

「分かった。野上がそこまで言うなら、任せる。
ただ、無理はするなよ?」

嬉しそうにはい! と返事をする野上を残して、俺たちは先に帰ることにした。

一人にするのは、と思って皆で飾りつけを見守っていると、
「気が散りますから行ってください」
と野上に言われてしまったんだ。

静谷、明日は学校来るかな……?
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