かわいいあなたにマフラーを

昼休み。
俺は相変わらず緑木と顔を合わせて弁当を食べ、秋穂も友達と一緒に弁当を食べる。
食べ終わった秋穂は毛糸を取り出して、時間いっぱいまで編み物をしながら友達とお喋りをしていた。

「笹野、あれって笹野のマフラーかな？」

「……多分……」

いいなぁ、愛されてて、と、緑木は笑う。

鮮やかな青の毛糸は彼女の手元でどんどんマフラーとしての形を整えてゆく。
それは細くて、端が絞られているような形をしている。

俺、紺は好きだけど、そこまで鮮やかな青は子供っぽくて、あんまり普段取り入れてないんだけどな。

しかも細すぎない？　形も独特だし。
まぁでも任せたのは俺だし、あれが俺用なら、俺は喜んで首にあのマフラーを巻こう。