かわいいあなたにマフラーを
「表で会った」

瀬田が言いながらなぜだかニヤニヤしている。

「ちょっと先輩、さっき瀬田から聞いたんすけど、秋穂と付き合ってるってマジですか?!

まさかですよねっ?!
悪い冗談ですよねっ?!」

「あ、え? 
本当、だけど……?」

え、なんでいきなり絡んでくるわけ?
初対面だよな?

「こら春樹君!

秋穂ちゃんはお姉ちゃんなんだから、呼び捨てやめなさいっておばさんいつも言ってるでしょ?

それになんでいきなり笹野君に喧嘩腰なの?」

怒られるも気にしない弟、春樹君は、俺をキッと睨み付けた。

「だっておばさん!

こいつ、秋穂が熱で数日寝込んで苦しんでたとき、一回も見舞いに来なかったんだ!

普通彼氏ならさ、心配で毎日でも見舞いに行きたいってなるはずじゃん?!

もし連絡取れなかったとしたら、実際家を訪ねるはずじゃん?!

こいつは一切何もしなかった!」

た、確かに……。
俺は言い返すことが出来なくて、黙っているしかなかった。
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