かわいいあなたにマフラーを
無事に終わったイベントにほっと胸を撫で下ろし、俺は生徒会室に寄ってから教室に戻った。
ホームルームを終えて、秋穂と中庭へ行く。

「綺麗だね、ツリー」

隣でツリーを見つめる秋穂の手を握る。
普段学校では手を繋がないけど、今は繋ぎたかった。

「ま、真冬君……?」

秋穂は、俺を見上げた。

「イベントだし……」

俺は言いながら恥ずかしくなって、目を逸らす。

「ん……。そうだね。
今日はイベントだもん、特別なことがあっても良いよね」

声と同時に、ふわりと突然首に何かをかけられた。
わ、あったかい……。

見ると、こげ茶とオフホワイトが交互に編まれたマフラー。
両端にはふさふさがついていて、落ち着いていながらもおしゃれだった。

「遅くなって、ごめんね?」

彼女は済まなそうに、そして恥ずかしそうに、笑った。

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