大好きだったあなたへ
私は、彼を「蓮君」って、呼んでいた。

小さい頃私は、体が小さく、彼のことはヒーロー

に見えていた。風が嫌いだった私は、風が吹くと

いつも泣いていた。彼は、私の事を、「泣き虫、

バカじゃね?風くらいで泣くなんて」と、言って

当然のように私に、手を伸ばしてきた。

たった、手を伸ばしてきただけで、泣きそうな、

くらい嬉しかった。
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