虹色研究部 - ニジケン -
「の、乃季! どうすんの?」


焦った様子のトミーは、私の肩を掴んで揺さぶる。


「ご、ごめん。何が?」


「聞いてなかったの!?」


「ちょっとトミー、声が大きいよぉ」


しーっと、人差し指を立てると、突然、大きな笑い声が響いた。


「やっぱり気に入ったよ竹内 乃季! ようこそ我等が虹色研究部へ!」


「えっ。……えええっ!?」


私の叫びを聞いた先輩は、「わーっはっは!」と声高らかに笑った。
その声はマイクを通さなくても、壇上から直接ビリビリと伝わってくる。


「言っておくけど、逃げられないよ。入部届もちゃんといただいたからねー」


ニンマリと怪しい笑顔を浮かべる先輩。
おかしい。入部届なんて、私知らない。
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