虹色研究部 - ニジケン -
「おのれ、和田 紀香!!」


深町先輩は起き上がろうとする。……が、上がらない。

ほんの少し浮いた頭からは、ネバネバした糸が大量に引いている。


「うわぁ、あき。これ思ったよりくっつくみたいね。深町起き上がれなそうよ」


「部長が、どうせやるなら強力にとおっしゃたので」


誇らしげにメガネをツンッと上げた滝口先輩。

目を凝らして見てみれば、床が一畳分ほど変色していた。
どうやらそこだけ接着剤が撒かれているらしい。


深町先輩は完全に囚われていた。

その光景は、まさにゴキ○リホイホ……。


「って、深町先輩大丈夫ですか!?」


「大丈夫だ。いいから竹内! 起こしてくれぇぇ」


苦しそうな声を出す深町先輩に、我に返った私は慌てて駆け寄った。
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