虹色研究部 - ニジケン -
「最初で最後のチャンスだぞ。二度と、二度と聞かないからな!」


そう言って渡されたA4サイズの紙とボールペン。

初めて國枝先輩に会った、入学式の日を思い出す。


けれどあの日と違うのは。


「これ……」


紙を広げると、【入部届】の文字がはっきりと印字されていた。

紙の下の方には、あの日私がサインした、四角のスペースがある。


顔を上げると、國枝先輩はニヤリと笑う。

前髪から覗くイタズラに笑う目が、自信満々に私を捉えていた。
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