虹色研究部 - ニジケン -
床にベットリくっついたままの深町先輩は、震えた声で「信じられない……」と呟くと、力を失ったように完全に伏せてしまった。


「深町先輩!」


起こしてあげようと制服を引っ張り上げる。

しかし想像以上に粘着力が強く、大きな身体はビクともしなかった。


「ちょっと代わって」


すると國枝先輩が、ブレザーの袖を捲って私の横に座る。


「手伝ってくれるんですか?」


「仁義なき戦いは終わったからね」


嬉しそうに微笑んだ國枝先輩は、私の頭をポンっと撫でた。
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