虹色研究部 - ニジケン -
――それから数日後。
「もうちょっと右じゃない?」
「こっち?」
「ううん行きすぎ! もう少し左かな」
「難しいな。この辺?」
「そう! そこ!」
深町先輩の歪みに歪んだ顔が、部室の壁にでかでかと飾られた。
「悪趣味なポスターですね」
「乃季、何言ってるんだよ! これは大事な思い出の写真だよ」
「そんなに好きなんですね。深町先輩のこの表情」
「もちろんそれもあるけど。あの時見せてくれた乃季の熱い想いが、このポスターを見ると蘇るんだよ!」
あの時の『私』の想い。
この写真で思い出すのは……やめて下さい。