虹色研究部 - ニジケン -
順番を待つ間、何気なく辺りを見渡していると、ふと見覚えのある人物が目に入った。


「あっ、蘭先輩だ」


あくびをしているところを見ると、今から昼寝をしに屋上に向かうのかな。


「あの人本当にカッコいいよね。ニジケンだからモテないのかな?」


トミーは蘭先輩をまじまじと眺めて呟く。

確かに部活紹介の時は、國枝先輩と蘭先輩はアイドル顔負けの黄色い声援を受けていた。

ニジケンの存在が新入生にも知られてからは、一切騒がれなくなったけれど、実は二人とも裏では女子にモテているのかもしれない……。


「蘭先輩! おはようございます」


私の声に気が付いた蘭先輩は、ふわぁーと大きなあくびをしながらこちらに向かってくる。
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