虹色研究部 - ニジケン -
「……國枝 燈、黄色だ」


彼女は明らかにヒクヒクと顔を引きつらせる。


「よし。燈とは別だな」


「よし、じゃないですよ!
よりによって私だけ同じって。國枝 燈って同姓同名でもう一人居たりしないですよね?」


「居ない」


「トミーそんなに嫌がらなくても。大丈夫だって! 國枝先輩なんだかんだいって優しいんだから!」


蘭先輩の情け無用の即答に、トミーはガックリと肩を落とした。そして左右にフラフラとしながらこちらへ歩いてくる。


「あっ。そういえば、蘭先輩って……」


トミーが勢い良く垂らしていた顔を上げる。
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