虹色研究部 - ニジケン -
「ちぇっ! 乃季はもっとびっくりすると思ってたのになー」


水鉄砲とヘルメットを机の上に置いた國枝先輩は、暑い暑いと近くにあった雑誌で顔を扇ぐ。


「いや、充分ビックリはしましたよ。だけどなんなんですか? Mr.イエローって」


「あぁ。今年の体育大会、俺は黄色なんだ。だから当日まで黄色に入り込めるだけ入り込もうと思ってね!」


あぁ、なるほどね。


「私は赤色でした。蘭先輩も。あっ、トミーも黄色ですよ!」


國枝先輩は扇ぐ手を止めず、何やら思案するように、じっと私を見つめた。
< 132 / 357 >

この作品をシェア

pagetop