虹色研究部 - ニジケン -


「――で。おかしくないですか?」


星城高校から歩いて約十五分。

目的の学校らしい建物が見えてきたと思ったら、國枝先輩が全員にいそいそと何かを配りだした。


何だろうと広げてみると、それは変装グッズだった。

百歩譲って変装グッズなのはいいが、そのチョイスがどう考えてもおかしい。


私に配られたのは、真夏なのにニット帽。
そして一番の疑問は、無駄にふさふさとして質の良い……チョビヒゲだ。


「女子高生にチョビヒゲって、何考えてるんですか!?」


抗議しようと視線を上げて、私はピシッと固まる。

そこには、ロングヘアーの金髪ウィッグを装着した蘭先輩と、ボブヘアーの茶髪ウィッグを装着した滝口先輩が立っていた。
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