虹色研究部 - ニジケン -
「ええぇっ!?」


声を上げる私に、蘭先輩は「どうした」といつもの無表情で首を傾げる。
滝口先輩も、「竹内さん?」なんて私を不思議そうに見つめた。


何で……普通なの。

男子の制服を着てるのに、髪だけが女子なんてどう考えてもおかしいでしょ!


「國枝先輩!!」


「乃季、どうしたの?」


國枝先輩が振り返ると、ふわりと風に靡く髪がいつもの茶色ではない事に気付いてしまう。

さすがというべきか、彼は私の思考を完全に停止させた。


「……く、國枝先輩ですか?」


「んっ? 当たり前でしょ」


「何ですかその格好!!」


國枝先輩は黒髪のショートカットウィッグを装着して、この短時間でメイクまで施していた。

そして何より。


「ど、どうして女子の制服を!?」


純白のブレザーに真紅のリボン、紺のチェック柄スカートに黒のタイツ。

どこからどう見ても、完璧な女子の制服だ。
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