虹色研究部 - ニジケン -
細身の身体に馴染んだブレザー、規定外の結び方をされたネクタイ、もう何度も歩いてくたくたになったローファー。
どう見ても、昨日入学式を終えたばかりの私と同じ新入生ではない。
「名前、教えてくれる?」
先輩と思わしき男子生徒は、明らかに戸惑う私に構わず問い掛ける。
「竹内です。竹内 乃季(たけうち のき)」
「ノキ? 可愛い名前だね。どんな漢字?」
彼は薄っすら笑顔を浮かべて近づいて来る。
すぐに私の警戒心が働き、反発する磁石の様に数歩下がった。
「怪しくないよ」
怪しい人こそそう言うと思う。
大体どうして、私の名前にこんなにも食いついてくるんだこの人は。
どう見ても、昨日入学式を終えたばかりの私と同じ新入生ではない。
「名前、教えてくれる?」
先輩と思わしき男子生徒は、明らかに戸惑う私に構わず問い掛ける。
「竹内です。竹内 乃季(たけうち のき)」
「ノキ? 可愛い名前だね。どんな漢字?」
彼は薄っすら笑顔を浮かべて近づいて来る。
すぐに私の警戒心が働き、反発する磁石の様に数歩下がった。
「怪しくないよ」
怪しい人こそそう言うと思う。
大体どうして、私の名前にこんなにも食いついてくるんだこの人は。