虹色研究部 - ニジケン -
教室に戻ってチャイムが鳴ると、怠そうに長い息を吐く担任が現れた。

そしてあの男性が言った通り、五限目は緊急全校集会に変更になったことを告げられた。

しかし担任も何が始まるのかよくわかっていない様子で、質問をしても曖昧な返事しか返ってこなかった。


突然、体育館に収集された全校生徒は、食後で眠そうにしている人も居れば、私語をして何が始まるのかと予想しながら待っている人も居る。

ガヤガヤと賑わう生徒達から少し離れるように、トミーと私はクラスの列の最後尾に並んだ。


「よぉ」


突然肩に乗った手に、驚いた私はビクンと跳ねた。

振り返ると、大きな目を眠そうに垂らし、カーディガンの両ポケットに手を突っ込んでいる蘭先輩が立っていた。
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