虹色研究部 - ニジケン -
「蘭先輩、こんにちは」


「おー。これ何の騒ぎ?」


「緊急で全校集会になったんです。って、知ってるからここに来たんじゃないんですか?」


「屋上は寒いから体育館の二階で寝てた。やたらと騒がしいから寝られなくて降りてきた」


彼は淡々と言うと、再び大きなあくびをした。

目の前で開く大きな口に吸い込まれてしまいそうで、私は思わず目を逸らす。


「楽しそうに何話してんのー?」


ヒョイッと後ろから現れた國枝先輩は、蘭先輩の肩に腕を回した。

どうやら機嫌があまり良くないらしく、つまらなそうに口を尖らせている。


「燈。この集会、お前の仕業か?」


蘭先輩はジトッとした目で國枝先輩を見つめた。
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