虹色研究部 - ニジケン -
グイッと腕を引かれた私は、強制的に足を進めさせられる。


振り返ると、トミーは気持ちやつれた表情でヒラヒラと手を振っていた。

トミーの戦意を根こそぎ奪うなんて、國枝先輩はやはりとんでもない人間だ。


廊下を走る私達を、すれ違う生徒達が目を見開いて見つめていた。

風を切りながら、もつれそうな足を何とか回転させる。


「先輩! ちょっと!」


どんどん加速していく國枝先輩に、運動不足の私はついていけなくなり、呼び止める。
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