虹色研究部 - ニジケン -
「國枝先輩。残りの六割って、この為だったんですね」


隣に立つ國枝先輩を見上げる。

すると彼は、私を真っ直ぐに見つめて、フッと優しい微笑みを浮かべた。


「違うよ」


「――えっ」


思わずドキッとしたのも束の間、彼は綺麗な微笑みをニヤリと怪しい笑顔に変える。


「ろ・く・わ・り・は、この為ー!」


國枝先輩はトランシーバーを私に突きつけると、謎の赤いボタンをポチッと押した。

すると突然、大絶叫が辺りに響き渡る。


「こ、この声……!」


トランシーバーから聞こえる声に、皆が【彼】の存在を思い出した。
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