虹色研究部 - ニジケン -
「ふ、深町先輩!」


トランシーバーを國枝先輩から奪い取り、必死に深町先輩に呼びかけたが、応答はない。


「お化けは外に居るのに……一体、中で何が起こってるんですか!?」


「深町には別ルートがあるんだよ。中は迷路みたいになってて、簡単には出られない様にしといた! 後は軽ーく仕掛けを、ねっ!」


國枝先輩は垂れ落ちた髪の毛をふわりと耳に掛け、爽やかに笑った。


「でもあの絶叫、ただ事じゃないですよ!?」


「俺はちゃーんと言ったはずだよ。無事に出られるなら……ってね!」


人差し指を立てて、おちゃらける國枝先輩。


「あっ! そういえば深町のルート、出口作るの忘れてたわ」


和田先輩が思い出した様に、「いけないいけないっ」っと笑い出した。

二人の言葉に私は、サーッと血の気が引くのを感じた。
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