虹色研究部 - ニジケン -
ニジケン、カップルになる
吐く息が白く立ち昇り、ぼんやりと消えていくさまをぼーっと眺めていた。
吹く風は日に日に冷たくなって、触れると痛いほどだ。登校中の風景も、寒そうに背中を丸めて歩く生徒が増えている。
かく言う私も、濃紺のブレザーの上に、赤と緑のチェックのマフラーをしっかりと巻いていた。
秋は駆け足で去って行き、冬はすぐそこまでやって来ている。
「おはよう乃季!」
校門を抜けたところで突然掛けられた声。私は驚いて肩をビクッと跳ねさせた。
声を辿って振り向くと、國枝先輩が私を迎える様に仁王立ちしている。
「おはようございます。國枝先輩、今日は早いんですね」
いつからここに居たのか、彼の鼻は少し赤い。
そしてなぜか、エサを与えられた犬の様に、キラキラと目を輝かせていた。
「乃季。今日から俺とカップルになろう!」
興奮気味に私の手を握った國枝先輩は、至近距離から私を熱く見つめた。
登校中の生徒が、今度は何事かとちらほら足を止めてこちらを見ている。
吹く風は日に日に冷たくなって、触れると痛いほどだ。登校中の風景も、寒そうに背中を丸めて歩く生徒が増えている。
かく言う私も、濃紺のブレザーの上に、赤と緑のチェックのマフラーをしっかりと巻いていた。
秋は駆け足で去って行き、冬はすぐそこまでやって来ている。
「おはよう乃季!」
校門を抜けたところで突然掛けられた声。私は驚いて肩をビクッと跳ねさせた。
声を辿って振り向くと、國枝先輩が私を迎える様に仁王立ちしている。
「おはようございます。國枝先輩、今日は早いんですね」
いつからここに居たのか、彼の鼻は少し赤い。
そしてなぜか、エサを与えられた犬の様に、キラキラと目を輝かせていた。
「乃季。今日から俺とカップルになろう!」
興奮気味に私の手を握った國枝先輩は、至近距離から私を熱く見つめた。
登校中の生徒が、今度は何事かとちらほら足を止めてこちらを見ている。