虹色研究部 - ニジケン -
「えーっと。来週の文化祭は、一年は見るの専門だから特にやる事はない。部活で出し物する奴はそっちに専念していいぞ。今日から文化祭当日まで授業もほとんどないし、各自好きにしてろー」


担任は頭をポリポリと掻きながら、黒板にチョークを滑らせ、『自由』と大きく書いた。


「じゃあ、HR終わり。今日は三限と四限だけ授業があるから、それ以外は各自自習か準備してろよ。遊びはなしな」


淡々とそう告げた担任は、教卓の隣にあるデスクにドカッと座った。

そしてすぐにノートパソコンを開き、自分の仕事を始める。


そこでちょうどチャイムが鳴り、私はようやく身体の力が抜けて、はぁーっと大きく息を吐いた。


「乃季、おはよう。遅刻ギリギリなんて珍しいね。寝坊?」


トミーは私の席の前に立つと、心配そうに顔を覗き込む。
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