虹色研究部 - ニジケン -
「おはようトミー。違うんだよー。校門で國枝先輩に会って、話してたら時間忘れちゃってさ」


「なるほどね。私もあいつが一人で校門に立ってるの見たわ。嬉しそうに同じところグルグル回ってたから、目合わない様にダッシュで校舎入ったよ」


トミーは未だに國枝先輩を受け入れられないのか、腕を組み、顔をしかめながらそう言った。


「なんか、文化祭のカップルコンテストっていうのをすごく楽しみにしてるみたいで……」


今朝の國枝先輩の行動を思い出し、再びドキッと胸が鳴る。

けれどそれがバレると、トミーに怒られそうな気がして、私はつい目を逸らしてしまった。


「カップルコンテストって、もしかして出るの? あいつと!?」


トミーは目を見開くと、私の肩をガシッと掴む。


「あっ、うん……。多分そうなるかな。國枝先輩すごく意気込んでたし」


私の言葉を聞いたトミーは、ガクッと勢い良く首を落とした。
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