虹色研究部 - ニジケン -
教室を出て、四階から掲示板のある一階まで階段で下りる。
その間、すれ違う生徒達が私の事をジロジロと見ていた。
普段は避けられてばかりで、視線が交わる事などほとんどないのに。
「……なんか、嫌な予感がする」
私に何かを知らせる様に、全身にゾッと鳥肌が立った。
「何、どうかしたの?」
トミーは階段のど真ん中で足を止め、私の顔を覗き込む。
「いや、なんとなくなんだけどね。ニジケンに入ってから異常に勘が良くなったというか……」
「確かに、毎日猛獣達と一緒に居れば野生の勘も鍛えられるよね」
ニヤッと嫌味を込めて笑ったトミーは、いつの間にか肩まで伸びた黒髪を耳に掛ける。
「先輩達が猛獣だとしたら、私はその檻に自ら入った……モノ好きな犬ってところかな」
そう言った私の背後から、「ブッ」と吹き出す声が聞こえた。
「乃季も言うねぇー」
笑いを含んだ低い声に、私は驚いて振り返る。
そこには、手を口に当ててクスクスと笑いを堪えている、國枝先輩が立っていた。
その間、すれ違う生徒達が私の事をジロジロと見ていた。
普段は避けられてばかりで、視線が交わる事などほとんどないのに。
「……なんか、嫌な予感がする」
私に何かを知らせる様に、全身にゾッと鳥肌が立った。
「何、どうかしたの?」
トミーは階段のど真ん中で足を止め、私の顔を覗き込む。
「いや、なんとなくなんだけどね。ニジケンに入ってから異常に勘が良くなったというか……」
「確かに、毎日猛獣達と一緒に居れば野生の勘も鍛えられるよね」
ニヤッと嫌味を込めて笑ったトミーは、いつの間にか肩まで伸びた黒髪を耳に掛ける。
「先輩達が猛獣だとしたら、私はその檻に自ら入った……モノ好きな犬ってところかな」
そう言った私の背後から、「ブッ」と吹き出す声が聞こえた。
「乃季も言うねぇー」
笑いを含んだ低い声に、私は驚いて振り返る。
そこには、手を口に当ててクスクスと笑いを堪えている、國枝先輩が立っていた。