虹色研究部 - ニジケン -
「えっ、何か足りない? やっぱりこんな隠し撮り写真じゃなくて、ラブラブした写真に差し替えた方がいいかな? 親友Tはどう思う?」


「あなたはバカなんですか!? こんなデカデカと、カップルコンテスト出場とまで書いちゃって!」


トミーは力任せにポスターをベリッと剥がすと、國枝先輩に押し付けた。


「あーあ。せっかく貼ったのに。まぁ、いいけどね! もう皆見てる頃だろうし」


國枝先輩は押し付けられたポスターを、余裕の笑みを浮かべたまま筒状に丸めていく。


「み、見てる頃って……」


嫌な予感がした私は、國枝先輩を見つめた。

視線が絡み合うと、なぜか彼は「うふふっ」と可愛らしい声を出す。その声には似つかわしくない、怪しい笑顔を浮かべて。


「校内のあちこちにコレと同じポスター貼ってあるから!」


筒状になったポスターを、コテンッと軽く私の頭にぶつけた彼は、更にキュッと口角を上げた。
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